本読むヒトデ

古書店・HITODE BOOKS(ヒトデブックス)の商品や業務などをご紹介します

「東京人」2012年12月号・伊東忠太

こんばんは。建築が好きな古書店・HITODE BOOKS(ヒトデブックス)です。旅行の時には必ず素敵な建物を見に行きます。

 

さて、当店は雑誌「東京人」をよく仕入れます。毎号毎号、様々な切り口から東京を特集し、写真も読み物もたっぷり。読みごたえがあるのです。何度も仕入れているので、中には「これは前も見たな、売ったな」というもの、面白かったので販売前に熟読したものもあります(商品を読む時には、傷めないように手袋をしています)。最近入荷した「東京人」数十冊の中にも、お気に入りの2012年12月号がありました。

「東京人」2012年12月号

「東京人」2012年12月号

特集は「異形の建築家 伊東忠太 アジアを生きる」。手書きの文字に興味がある私は、忠太氏が残したスケッチや絵葉書を手がかりに氏の頭の中を覗こうとしたこの記事が特に面白いと感じます。

「東京人」2012年12月号

「東京人」2012年12月号

建築物が緻密に描かれている事にはさほど驚きませんが、人物のデッサンも狂いがないように見えるのはなんだか意外です。また、文字も大きさや傾きなどがほぼ一定でフォントのよう。稲川淳二さんの書き文字に近いものを感じます。稲川さんは工業デザイナーでもあるので…忠太氏といい、デザインをする方は自分の専門外の分野でもその能力を発揮するのですねぇ。ちなみに土屋太鳳さんの書く字もフォントのようですごい(としか言いようがない)ですが、イラストなどやはり得意なのかな。

 

他に「パトロン大谷光瑞との出会い」という記事があります。当店は「東京人」だけではなく「太陽」もちょくちょく仕入れますが、同誌の1991年6月号の特集テーマがこの大谷光瑞(この記事の公開時点では在庫切れ)。こちらもまたロマンのあるテーマで面白かった…。いつかこの2つの雑誌をセットにして販売してみたいです。ほしいと思ってくれる方がきっといるはず!もし売れなくても、その時は私の蔵書にするので問題ナシです。