本読むヒトデ

古書店・HITODE BOOKS(ヒトデブックス)の商品や業務などをご紹介します

年末所感と来年の抱負

こんばんは。なんとか無事に年を越せそうなのでほっとしている古書店・HITODE BOOKS(ヒトデブックス)です。

 

このブログは一応「業務日誌」なので、仕事納めの今日は年末の所感と来年の抱負を書いてみます。

 

古書店を初めてもうすぐ丸3年が経ちます。実は開業当初の私たちには立派な理念などは特になく「これは自分たちの社会人経験と興味関心を活かして面白い事ができるかも」という希望や予感があるばかりでした。そして興味深い本や貴重な本を見つけて仕入れ、それが同じ価値観を持った方に買ってもらえるという宝探しのような楽しさ、そして元会社員であるだけに、それでご飯を食べていける事への新鮮な驚きで頭がいっぱいだった気がします。

 

それが、ある時お客様が下さったお礼のメールによって変わりました。その方が買って下さったのはスポーツ雑誌「Number」の20年程前のバックナンバー。その号はお客様が高校生の時に初めて買った「Number」で、読み終わった直後に処分してしまったそうです。けれどその次の号からコレクションとして捨てずに取っておくようになり、一番思い出深いその号だけがないという状態だったそうで「今回やっと手に入れる事ができて良かった。ありがとう」という内容でした。メールを読み、この人に見つけてもらえて良かった、これを仕入れて良かったと嬉しくなりました。そしてその高揚感が落ち着いた後、自分たちはこういう仕事をしていたのか…と何かが腑に落ちたような気がして、頑張っていこうと改めて考えたのです。

 

古い本や雑誌は、それを読み終えて処分しようとしている人にとっては「ゴミ」に過ぎませんが、その事と内容の価値は全く違うものです。別の人にとっては「思い入れのある本」「貴重な資料」で、まだまだ楽しんだり役立てたりしてもらえます。だから捨てられて焼却されるか溶解処理される前に私たちが見つけたい。人助けというか本助けというか。そんな使命感を勝手に持って、これからも「読みごたえのあるもの」「時代の雰囲気が色濃く出ているもの」「人の好奇心・知識欲を満たしうるもの」つまり面白い本や雑誌をご紹介していきます。来年も素敵な出会いに恵まれますように。